“からだ”をつかう。<連載>

疲れた心を解き放て!
話題のパークヨガにトライ

撮影/菅原景子 取材・文/山下俊太[Roaster]

夏まっさかり。休日の日中は、ついつい冷房の効いた室内にこもっていたくなりますよね。しかし、こんな季節だからこそ、外に出てしっかり身体を動かさないとすぐにバテてしまいます。そこで今回紹介するのがパークヨガ。本誌では以前も、野外で行う健康法として太極拳を取り上げましたが、老若男女問わず気軽に楽しく野外で身体を動かせるアクティビティーとしてパークヨガが今注目を集めているんです。全国各地の公園で頻繁に開催されていて、参加費もリーズナブル。1クラスは10~20人ほどで、インストラクターにじっくり見てもらえる規模のものがほとんどです。

今回はパークヨガを取材しました。協力してくれたのは、ヨガクラス「Release Yoga」のオーガナイザーであるnaokoさん。自身がパークヨガに参加して感銘を受けたことをきっかけに、4年前から定期的にパークヨガクラスを開いています。

「『Release』という言葉で表しているように、『Release Yoga』では『解き放すこと』を一つのテーマとしています。室内ヨガのほか、パークヨガも定期的に開催していて、時期は春から初夏と、秋の過ごしやすいシーズンがメイン。公園というオープンな場所で身体を開き、忙しない日常で疲れた心を解き放ちましょう!」

広々とした公園でのびのびと。
パークヨガに密着!

参加者はSNSやコミュニティサービスで募り、当日は公園の入り口で待ち合わせ。毎回15人前後が集まります。幅広い年齢の方が参加し、英語対応も行っていることから外国人の参加者も多いそうです。

まずは公園の利用者に配慮しながら場所を決めます。

「お気に入りスポットはありますが、場所は当日に決めるようにしています。天気が悪いと中止になってしまうんですが、晴れた日でも前日が雨だとぬかるんでいる場所もあるので。また、春だと桜、秋だと紅葉が眺められる場所を探したり、四季によって咲く花や草木の色づきが変わるのも公園の見どころ。せっかく自然に囲まれているんだから、環境も含めて楽しまなくちゃもったいないですよね」とnaokoさん。

プログラム序盤はストレッチや寝転がった姿勢で行う動きがメイン。「Release Yoga」のパークヨガは基本的に週末の午前中。起床してからまだあまり時間が経っていない身体を徐々に馴らして行きます。

「スタジオとは違って壁がないから、隣の人との間隔も気にせずのびのびとヨガを実践できます。原っぱの上って寝転がってみるととても気持ち良くて、大胆に腕を広げたり、裸足で歩き出す人もいます」

プログラム中でも各自自由に休憩をとれ、naokoさん自ら補助をするなど、丁寧に教えてくれます。

「『ヨガはポーズをとる』というイメージがあるかもしれませんが、呼吸法や瞑想を取り入れた精神統一法であり、実は上手にポーズをとることが目的じゃないんです。ゆっくりと呼吸を止めず、力まないで自然体を維持することが大切。なので、プログラム自体は経験者でもやりごたえのあるものとなっていますが、休憩は個人に任せています。中にはリラックスして寝てしまう人も」

2人1組で行う動きやポーズも。

「プログラムにはペアワークを取り入れています。もちろん、参加された人同士の交流も目的ではありますが、ほかの人と組むことで力加減やバランスの取り方が、1人でやるより分かりやすくなることもあるんです」

1時間ほどヨガを行なった後の10分間はリラックスタイム。仰向けになり、完全に力を抜きます。この間naokoさんは、参加者一人一人にアロマオイルを使ってマッサージ。

「自然の中で心を開くことで、身体の緊張を解く効果も高まります。緊張しているときって、身体の筋肉も硬くなりますよね。心と身体は繋がっているので、どちらも解放すれば相互にいい影響を与え合うんです。ですから、公園って実はヨガをするのにぴったりの場所。また、ヨガの効能が高まるだけでなく自然の癒し効果もプラスされるので、より一層リフレッシュできます」

パークヨガが終わると、最後は決まって記念撮影。終わる頃には初対面同士も互いにすっかり心を開いているのだそう。

「公園という開けた場所で行うからか、参加者同士の関係もオープンになりやすいなと感じます。大きい公園だと、週末は食のイベントが催されて屋台が出ていることもあるので、パークヨガが終わったら皆さんとそのままピクニックランチをすることもあります」

大切なのは自然の中で、
自然な自分でいること

「パークヨガの一番の魅力は開放感。爽やかな風が花の香りを運んできたり、ヨガマット越しに感じるでこぼこした地面だったり、まさに自然のパワーがダイレクトに得られる環境でのヨガは気持ちいいですよ。参加者の皆さまにも意外な発見があるようで、『空ってこんなに青いんですね』って感想をもらったり(笑)。そして、初心者の人に知ってほしいのが、無理してポーズをとる必要はないということ。ヨガはあくまでも自分の心身との対話なので、周りの人ができているからといって焦ってしまっては逆効果。自然を感じながら自分のペースでパークヨガを楽しんでほしいです」

パークヨガの様子が一通り分かったところで、今すぐ手軽に効能が得られるヨガポーズをnaokoさんに教えてもらいました。自宅はもちろん、近所の公園で試してみるのもアリかも!

手軽に身体の悩みを解決!
3つのヨガポーズを実践

まずは3つのポーズを1セットずつ行うだけでも身体が軽く感じるはず。余裕があれば2~3セットと重ねていきましょう。ヨガのポーズは呼吸ありき。「息を3秒かけて吸って、3秒かけて吐く」1呼吸を約6秒として、ゆっくりとした呼吸を意識しましょう。

1.腰回りの不調に有効! 「三角のポーズ」

  1. 脚を曲げず大きく広げ、左のつま先は正面に、右のつま先は右側へ90度ひねります。
  2. 腰の位置が両足の真ん中にくるようしっかり固定。
  3. 手を広げ、右手の手のひらを右の足先へ伸ばす。
  4. 左手を上方に伸ばし、背筋を意識しながら胸をそらし、ポーズを30秒(5呼吸)キープ。
  5. 反対でも同様に。

「両腕のラインが地面と垂直に、一直線になるように意識します。上半身を前にかがめたり、お尻を突き出してしまわないよう気をつけましょう。腰痛の緩和や便秘の改善、ウエスト周りの引き締めなどの効果があります」

2.「ピラミッドのポーズ」で脚やせ!

  1. 脚を大きく広げる。
  2. 肘は曲げずに、両手を身体の後ろで組む。
  3. 背中をなるべくまっすぐ保ったまま、上半身をゆっくり前に倒し、ポーズを30秒(5呼吸)キープ。
  4. 起き上がってくる時は両膝を軽く曲げて、頭が最後に上がるようゆっくり上体を起こす。

「太ももの裏側が伸ばされ、脚やせの効果が期待できます。背筋と腹筋にも負担がかかり、姿勢がきれいに。股関節周りが硬い人にオススメです」

3. 足の疲れ、むくみ解消には「肩立ちのポーズ」!

  1. 仰向けに寝てリラックス。両腕の手のひらを下に向ける。
  2. 手で地面を押すイメージで、脚を頭の上へ。浮いた腰を両手の手のひらで下から支える。
  3. 腰、脚、つま先をまっすぐに保ち、30秒(5呼吸)ポーズをキープ。
  4. 腰、脚の順にゆっくり下ろし、ポーズを解く。

「ポーズを始めてから終わるまで頭を動かさないようにしましょう。腰、脚、つま先のラインを地面に垂直に保つことを意識。肩甲骨を寄せて、両肩、両ひじで重心を支えるイメージです。下半身のむくみの解消や、頭部が下になることで頭への血流が増加し顔の血行が改善。また、頭、肩、首回りを刺激し、ホルモンバランスを整える効果もあります」

大事なのは無理せず、呼吸を一定に保ったまま行うこと。そして習慣づけることです。日々の中に少しずつでも取り入れれば、徐々に効果が現れるはず。リフレッシュ効果はもちろん、姿勢の改善や体幹を鍛えることは、疲れにくい身体作りにもつながります。ヨガ習慣の第一歩として、まずはパークヨガから実践してみませんか?

※ヨガは必ず、適度な水分補給をしながら行いましょう。

INFORMATION

naoko
屋内、屋外で定期的に行われるヨガクラスを開催する「Release Yoga」のオーガナイザー。会社員として勤務しながらヨガインストラクターを務める。

HP:https://www.meetup.com/ja-JP/ReleaseYogaTokyo/

「体験エクササイズ」参加者募集!

SBJ健保組合が指定の場所にインストラクター(ヨガ、太極拳、お悩み別エクササイズ)を派遣します。店舗・エリアのチームビルディングとして利用しませんか?

ご利用方法
参加メンバーの代表者からSBJ健保組合へご連絡ください(TEL:03-5745-5894)。
その際、下記についてお伝えください。

  1. 希望日時を3候補(1ヶ月以上先の日付)
  2. 場所(場所の予約が必要な場合はご対応ください。また場所代が発生する場合はご負担いただきます)
  3. 希望するエクササイズ(ヨガ・太極拳・その他エクササイズ★はっきり決まっていなくても目的やイメージでご相談に応じます)
  4. 参加人数(10名~)

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