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“からだ”をつかう。<連載>
撮影/菅原景子 取材・文/和栗恵 イラスト/蔵元あかり(Roaster)
パソコンやスマートフォン、タブレットが普及した現代では、日常生活で目を酷使することが多く、疲れや違和感を覚えている方も多いのではないでしょうか。目の痛みや乾きといった症状を放っておくと、頭痛や肩こり、イライラやうつといった目以外の不調につながることも。大切な目を守るために、今できることからはじめてみませんか?
毎年10月10日は「目の愛護デー」。1947年に中央盲人福祉協会の提唱によって定められ、現在では厚生労働省や趣旨に賛同する民間企業により、目の健康に関わる活動が進められています。2022年には、「目の愛護デー」にちなみ、コンタクトレンズを販売する民間企業が、全国の小~高等学校の養護教諭を対象に、子どもたちの目の健康を取り巻く環境について調査を行いました。その結果、半数を超える60.9%の養護教諭が「近視が進み、将来の眼疾患や失明リスクについて危機感を持っている」ことが明らかになったといいます。
こうした「危機感」を持つ理由の大きな原因となっているのが「デジタル機器」の普及。スマートフォンやタブレットなどが身近になり、使用時間の増加とともに目を酷使することが増え、目の不調を訴える子どもが多くなっているそうです。
もちろん、こうした「危機」は、子どもたちだけではなく私たち大人にもいえること。
今回お話を伺った眼科医の有田玲子先生によると、近年、眼精疲労を訴える患者さんが増加傾向にあると言います。
有田先生によると、眼科を訪れる患者さんの悩みで多いのは「眼精疲労」「ドライアイ」、そして「老眼」の3つ。目を酷使する現代日本において、この3つは避けて通れない「現代病」になっていると言います。
「もしかしたら、気づかぬうちにあなたの目にも症状が現れているかもしれません。次に紹介するチェックリストで目の状態を確認してみましょう。
有田先生のもとを訪れる患者さんの中で最も多い症状が「眼精疲労」。目を酷使することにより目そのものや周囲の筋肉が疲労する症状のことで、目の疲労に伴って頭痛や肩こり、倦怠感といった全身症状までも引き起こす可能性があります。
「症状がひどくなると、やる気が失われたり、うつ病を発症してしまうこともあります。眼精疲労の軽視は禁物です」
続いて悩みの声が多いのが「ドライアイ」。涙が不足することで目の表面に傷や障害が生じ、目がゴロゴロしたり、かすんだりといった症状を起こします。
「パソコンやスマートフォンなどの画面を見続けることが多いと、まばたきが減り、涙が蒸発しやすくなります。こうした状態が続くと涙を分泌する力が弱まり、ドライアイになることも。そのほか、アイメイクを施すことにより、『マイボーム線』(まつ毛の生え際よりも少し内側にある、油分を分泌する器官)が詰まったり、エアコンの風が目に当たる環境がドライアイの原因にもなります。ドライアイの疑いがある方は、生活習慣を改善することも大切です」
誰もがいつかはたどる道である「老眼」。目の中にある「水晶体」が老化によって硬くなったり、毛様体筋(もうようたいきん)と呼ばれる目の周囲の筋肉が衰えたりすることで、近くにピントを合わせにくくなるなどの自覚症状を引き起こします。
「目にはレンズの働きをする水晶体を、周囲にある『毛様体筋』が引っ張ったり、緩めたりすることで、見たいものにピントを合わせる機能が備わっています。しかし、この水晶体が老化により硬くなる、または『毛様体筋』そのものが衰えてしまうことにより、ピントを合わせるのに時間がかかるようになってしまうのです。
老眼になる年齢は、以前は40代くらいからといわれていましたが、食事が改善され、目のケアに対する知識が増えた現代では50代くらいからとされています。自覚症状が出てきた方は、早めに眼科で検査を行いましょう」
近距離でスマホを見続けることによりピント調節機能が効かなくなる「スマホ老眼」や、夕方になると細かな文字が見えにくくなる「夕方老眼」、週末になると目の不調が起こる「週末老眼」など、年齢に関係なく起こる老眼に似た症状も問題視されています。
こうした目の不調を改善するために、私たちが日ごろからするべきことはあるのでしょうか。日常の中で目をケアする方法を、次章で教えていただきます。
怖い病気につながりかねない眼精疲労や、不快感が強いドライアイ、そして老眼の進行を弱めるためには、生活習慣の改善と手軽にできるケアを習慣化し、目をいたわることが大切なのだと有田先生は言います。
「激しい運動を行うと、筋肉痛になることがありますよね。こうして筋肉痛になると、多くの人は体を休め、いたわることが多いのではないでしょうか。目の疲れや眼精疲労も同様で、『毛様体筋』が疲労し、筋肉痛になっているという状態にあるんです。目に出る症状は、体が『少し休ませて!』と悲鳴を上げているようなもの。症状を感じたら自分でできるケアや眼科への通院を行い、目を、体を、そして心を、休ませてあげてください」
では、有田さんおすすめの自分でできる目のケア方法を教えていただきましょう。
「目の周囲には、疲労を回復するツボが多く存在します。目の疲れを感じたら、下に挙げた3つのツボを人差し指か中指の腹を使ってゆっくりと押して血流を改善し、筋肉疲労をやわらげましょう」
「やり方はとっても簡単。まずは眉頭にある『攅竹(さんちく)』と呼ばれるツボを押しましょう。攅竹は、目や鼻、脳の病気に効果があるとされているツボで、眼精疲労を患っている方は、ここを押すと軽い痛みを感じる場合もあります」
「続いて、瞳孔の真下(目の中心のすぐ下側の、骨のフチ)にある『承泣(しょうきゅう)』というツボを押します。承泣は顔の筋肉に影響を与えるツボで、眼精疲労にも効果があるといわれています」
「最後はこめかみにあるツボ『太陽(たいよう)』。目尻と眉尻の中間部分から2cmほど後ろにある凹みが太陽の位置になります。この太陽は、頭痛やめまいの緩和に効くといわれています。
いずれのツボも、気持ちよさを感じる程度の強さで刺激しましょう」
「目の機能を正常に保つ上で欠かせないのが『涙』です。人は1日に15,000回ほどまばたきをし、涙で目を保護し続けています。
この涙の成分はほとんどが水分ですが、1%程度の油が混ざっていて、この油が目の表面に膜を作ることで、目を乾燥から守っています。
目の不快な症状を緩和するために目薬をさす方が多いと思いますが、水分をプラスするだけでは不十分。まつ毛の生え際にある油を出す『マイボーム腺』を整え、質のよい涙で目を潤すことが必要です。
そこで私が推奨しているのが『まばたき運動』。このエクササイズは、目の周りの筋肉を鍛えるとともに、マイボーム腺から油が出やすくなるトレーニングです。
仕事の合間や、トイレに行ったときなど定期的にエクササイズをして、眼精疲労の緩和に役立ててください」
「上記で紹介したツボ押しやまばたき運動のほか、目元専用のアイテムを使ったケアも有効です。
逆にあまりおすすめできないのが、実は目薬なんです。目薬はさした瞬間は潤いを感じますが、目の油分や栄養を流してしまい、使いすぎると逆に目が乾きやすくなってしまうことも。
目の不調を感じたら、下で紹介するアイテムでケアし、目の潤いを促してください」
「涙の蒸発を防ぐためには、マイボーム腺からしっかり油を分泌する必要があります。料理をしたことがある人ならご存知だと思いますが、油(脂)は、低温になると固まる性質があるもの。冬になるとドライアイを訴える方が多いのは、低温で油が固まり、うまく分泌されなくなることが関係しています。
固まってしまった油をやわらかくし、分泌しやすくするために役立つのが『目元あたためグッズ』です。タオルを温めて使ってもいいですが、ドラッグストアなどで売られている小豆が入っていて電子レンジで温めて使うタイプのものが便利です。目の不快感を感じたら、ホットアイマスクで目の周りをあたためて涙の質を高めましょう」
また日々のアイメイクが目の不調の原因になることもあるのだとか。
「アイメイクをしっかりする方は、メイク落としや洗顔のあとに、まぶたの洗浄も行うことをおすすめします。近年、まぶたのキワや粘膜にアイラインなどを施すメイクが流行していますが、メイクによりマイボーム腺が塞がれてしまい、涙の質が低下してしまう恐れがあるのです。
せっかくきれいにメイクをしても、瞳が濁ってしまっては本末転倒というもの。まぶたのキワやまつ毛を洗うことができる『目元専用シャンプー』を使用して、しっかりメイク汚れを落とすようにしましょう」
また、目元専用シャンプーでまぶたのキワを洗うことで、まぶたに棲んでいる「まつ毛ダニ」を洗い流すことができるそう。
「まつ毛ダニはアジア人なら誰もが2~3匹は持っているといわれていますが、増えてしまうと死骸がマイボーム腺に詰まり、ドライアイやものもらいの原因になってしまうことも。ものもらいになりやすい方や目のかゆみを頻繁に感じる方は、まつ毛ダニのせいかもしれません。ぜひ目元専用シャンプーを習慣化してみてください」
なお、洗い過ぎもてよくありませんので、まぶたの洗浄は1日2回程度を目安にしてくださいね。
目を直接ケアするだけでなく、食べるものも目の健康に影響が。特に世界中で注目されている成分が、魚や甲殻類などの海産物から摂取できる「オメガ3脂肪酸」。
「オメガ3脂肪酸」とは、油脂を構成する成分のひとつ。この成分が含まれる海産物の油は、融点が低く、人間の体温で固体から液体にすることができる良質なもの。そのため、マイボーム腺をつまらせずに、ドライアイを予防することができるのだとか。実際にドライアイや眼精疲労への効果が認められているそうなので、食べ物からの栄養も気にしてみてくださいね。
目も、私たちの体の一部。健康に保つためには毎日の生活習慣の改善も大切であると有田先生は言います。
「1時間に1度程度、しっかりと目を閉じる。こまめにまばたきをし、涙で目を潤す。これらを心がけるだけでも、目の不快な症状を緩和することができます。
また、目の健康を維持するためには、バランスのよい食生活、質のよい睡眠、代謝を上げる入浴など、一般的に正しいとされる生活習慣を身に付け、体そのものを健康に保つことも大切です。
体と同じように、日差しが強い日は、目の日焼け予防にサングラスをかける。電車に乗っている間はできるだけスマホを見るのをやめ、車窓から遠くを眺めるこうした小さいことを習慣化することもポイントです。
なお、眼科の検査は、健康であれば1年に1回を目安に受けるようにしましょう。緑内障や網膜剥離など怖い病気が潜んでいることもありますので、不安をなくすためにも定期的な検査をおすすめします。今できることから始めて、目の健康を維持してください」
気づかぬうちについつい酷使してしまい、ケアも怠りがちな“目”ですが、いつまでもきれいな瞳で暮らせるよう、小さなことから心がけてみませんか?
有田玲子
眼科医・医学博士。京都府立医科大学医学部・同大学院博士課程を修了後、慶應義塾大学医学部 眼科学教室助手などを経て、伊藤医院副院長に就任。涙の油・マイボーム腺の重要性を啓発するべく「LIME研究会(Lid and Meibomian Gland Working Group)」を立ち上げ、全国300人以上の会員と29の協賛企業の協力の元、後援会やワークショップ、研究会、セミナー、YouTubeなどを通してアクティブに活動中。
URL/https://aritareiko.com/
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