“からだ”をつかう。<連載>

セルフで簡単!
フットケアで全身リフレッシュ

撮影/栗原大輔[Roaster] 取材・文/山下俊太[Roaster] モデル/保谷サチエ

足は一日中、体重を支える大事なところ。特に普段から立ち仕事が多いと、疲れや不調が現れやすい部分でもあります。実は足の疲れや重心のずれは、下半身だけでなく肩こりや背筋の歪み、便通の悪化など、全身の不調の原因にもなるんです。

そこで今回は、全身に効く、手軽にできるフットケアをご紹介。具体的なセルフケアの方法を教えてくださるのは、ボディバランス整体師の吉田佳代さん。骨・筋肉・ツボ・リンパなどからアプローチする独自の足ツボ療法や整体技術といった、ボディバランス術が注目を集めています。足ツボでは延べ30,000人以上の施術実績があり、まさに足まわりのスペシャリスト。

「足は全身のバランスのベースとなる部分。なので、足裏の重心を整えると骨盤も正しい位置に戻り、猫背なども改善され、姿勢が良くなります。さらに、体重の支え方が効率的になるので、体が疲れにくくなるんです」

仕事の空き時間にできるケア①
爪先立ちで、脚のむくみを解消!

まずは、道具なしですぐに実践できる簡単なケアから。靴を履いたままでもOKなので、仕事の休憩時間や空き時間に実践してみましょう!

1.腰のあたりを意識して、つま先立ちの状態でバランスをキープ。
2.ふらつきがおさまったら、ゆっくりかかとを下ろす。
これを10回ほど繰り返し行いましょう。

\ここがポイント!/

「体がバランスを取ろうとすることで、お尻が締まり、骨盤の位置が整います。ふくらはぎの血流改善にも効果があり、脚のむくみも解消。また、骨盤が正しい位置にあれば、便通が良くなります」

仕事の空き時間にできるケア②
股関節ストレッチで美しい立ち姿に!

壁に手をついて、壁側の脚を上げます。もう一方の手で膝を抱え、なるべくおへその上に引き寄せるようにして5秒間維持。左右それぞれ5回ずつで行いましょう。

\ここがポイント!/

「股関節が伸び、脚の歪みが改善。立ち姿もきれいになります」

仕事の空き時間にできるケア③
脚のツボ押しで体力回復

次は、時間があれば簡単に効果を得られるオススメのツボを紹介。ツボ刺激は即効性があるので、得たい効果によって使い分けましょう。

1.ツボの場所を探します。膝の皿のすぐ下から指4本分下がった位置に「足三里(あしさんり)」というツボがあります。
2.両手で脚を掴み、親指で「足三里」をしっかりプッシュ。

\ここがポイント!/

「ここは脚の疲れやむくみの解消、体力回復に効きます」

仕事の空き時間にできるケア④
眠気を感じたら手のツボ押し!?

次に、手のツボもチェックしてみましょう。どこでも簡単にできるので、手遊びの感覚で実践してみてください。

「合谷(ごうこく)」という手のツボを押しましょう。親指をツボにあて、人差し指で挟んでグッと押しましょう。逆の手でも同様に。

\ここがポイント!/

「『合谷』を刺激すると、脳の血流がアップ。眠気を感じた時などに押せば、重い頭がすっきりして目もぱっちり冴えてきます。また、肩こりや腕の疲れも解消してくれる、万能ツボです」

両手の指と指の付け根の間、水かきとも呼ばれるところに「八邪(はちじゃ)」というツボが、左右で合わせて8箇所あります。逆の手の親指と人差し指で、挟むようにしてつまんで刺激しましょう。

\ここがポイント!/

「冷えやむくみに効果があります。体のだるさを解消して、元気を与えてくれるツボです」

一日の終わりに、じっくりお家でフットケア

ここから紹介するセルフケアは、お風呂上がりなどリラックスした状態で行いましょう。

自宅で簡単ケア①
腰のストレッチで疲れにくい体を作ろう!

1.脚を肩幅くらいに開きます。
2.上体をひねって右手を左下に伸ばします。この時、背筋が曲がらないよう気をつけましょう。グッと伸びて10秒キープ。反対も同様に10秒キープ。これを3セット行います。

\ここがポイント!/

「腰の柔軟性が高まります。腰の後ろが伸びるイメージを持って行いましょう。腰の関節や筋肉が柔らかいと、体の各部を動かすエネルギーも少なくすみ、疲れにくくなります。日頃の繰り返しで、だんだん実感が得られるはず」

自宅で簡単ケア②
リンパ節も刺激して、徹底的に疲労解消!

次は膝裏を刺激しましょう。脚の疲れがなかなか取れないという人は、ここに老廃物が溜まっているかも。

1.椅子を用意。片ひざを乗せます。
2.膝裏の真ん中、くぼみになっているところをプッシュ。左右5回ずつ押しましょう。

\ここがポイント!/

「少し痛みを感じるくらい強く押すのがコツ。リンパ節の活性化と同時に、膝裏の張りがほぐされるので柔軟性アップにも繋がります」

自宅で簡単ケア③
筋トレにも効果的! クルクル脚サークル

1.仰向けに寝転がってリラックス。
2.片脚を少し上げて、内回しと外回し各20~30回ずつ行いましょう。反対の脚も同様に回します。

\ここがポイント!/

「足の甲をまっすぐ伸ばし、膝を曲げないようにするのがポイント。お腹にも力を入れましょう。脚の付け根の筋力がつき、関節が柔軟になります。また、太もも周りのたるみがすっきりし、美脚効果も」

\ここがポイント!/

「余裕があれば、横向きになって腕も一緒に回しましょう。肩周りの凝りがほぐれ、腕の疲れも解消」

自宅で簡単ケア④
時間帯で使い分け!足裏のツボで元気はつらつ!

足の人差し指と中指の間からかかとへたどる途中にあるくぼみには、「湧泉(ゆうせん)」と呼ばれるツボがあります。ここを両手の親指でプッシュ。左右5回ずつ行いましょう。

\ここがポイント!/

「『湧泉』は元気が湧き出るツボ。低血圧からくるだるさ、疲れやすさに効果的です。一日の疲れ解消のため、夜にツボ押しするのもオススメですが、起床時に刺激すれば、すっきり目が覚める効果も!」

健康的な生活は、正しい姿勢から

「重心を整え、正しい姿勢をキープできるようになれば、疲れにくい体になるだけでなく働く効率も上がるはず。今回紹介したセルフケアを仕事の休けい時間や帰宅後に実践して、ボディバランスを正しく維持してください。また、普段の生活で注意して欲しいのが、スマートフォンやパソコン使用時の姿勢。背骨や首筋を曲げたまま長時間過ごす人が多いのですが、それが当たり前になってしまうと、常に骨格や筋肉に無駄な負荷がかかって、疲れやすくなってしまいます。ふと『姿勢が悪いな』と気付いた時は、すっと背筋を伸ばす習慣をつけましょう。日頃の小さなことから見直し、正しい姿勢を自分の当たり前にするという意識を持つことが大切です」

INFORMATION

吉田佳代
ボディバランス整体師。骨・筋肉・経路・経穴・リンパの全てからアプローチした独自の足ツボ療法及び全身オイル整体技術を開発。『朝に効くツボ 夜に効くツボ』(日本文芸社)など、フットケアに関する著書も執筆。そのほか、サロンのプロデュース及びコンサルティングも手がける。

URL/http://www.s-d-m.jp/talents/yoshida-kayo/

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