
おいしく“たべる”。
実は知らない塩の魅力
適度に摂って美味しく、
夏を乗り切ろう
NEW<連載> おいしく“たべる”
“きもち”をたかめる。<連載>
撮影/菅原景子(Roaster) 取材・文/岡林敬太
イラスト/蔵元あかり(Roaster)
長引くマスク生活の中で、多くの人が「自分の口臭」を気にし始めているようです。本人が思う以上に、息の臭いは相手に伝わってしまうし、マスクをしていても完全には隠せないもの。人に相談したり、逆に指摘するのもなかなか難しい、この厄介な「口臭」という問題には、どのように向かい合えばいいのでしょう? 口臭治療専門のクリニックで院長を務める上田恵子先生に、口臭ケアの方法について教わりました。
コロナ禍で健康に気を配る人が増える一方で、ついおざなりになってしまうのが、口臭のケアでしょう。「マスクをしているから、相手には臭わないだろう」と思っている人も多いでしょうが、強い口臭はマスクを通して伝わることもあるので油断は禁物。また、「口臭対策は万全」と思っている人が、実は間違えたケアを行っていたり、歯を磨きすぎたりして、さらに臭くなっているケースもあるようなので要注意です。
特に、食べもの・飲みものを扱いながらお客様と接するPTRの場合は、どれだけ接客態度が優れていても、口臭によって印象が台無しになってしまう可能性が。知らず知らずのうちに周囲に不快感を与えないために、正しい口臭対策を今こそ学んでおきましょう。
まずは、「なぜ口臭が起きるのか?」について上田先生に解説してもらいます。
「口臭には、大きく分けると、病気によって起こる『病的口臭』と、健康な人でも起こりえる『生理的口臭』の2種類があります。私のクリニックを訪れる患者さんは圧倒的に『生理的口臭』が多く、その主な原因は『口の渇き』です」
「口の渇き」とはすなわち、唾液の分泌量が減っている状態。ストレスや緊張などによって自律神経が乱れると、唾液の分泌量が減ったり、質が低下して、臭いの元となる「嫌気性菌(けんきせいきん)」が瞬間的に増殖してしまうそう。
「2015年にオーラルプロテクトコンソーシアムが行ったオーラルケアの実態に関する意識調査によると、なんと在日外国人の約7割が『日本人の口臭にガッカリした経験がある』と答えています。『日本語は、しゃべる際にあまり舌を動かさない』『日本人にはガムを噛む習慣がない』『勤勉でストレスを溜めやすい』『きれい好きな国民性ゆえ、歯を磨きすぎる』などの理由で、日本人は口の中が特に渇きやすい。だから、臭いが出やすいんです」
さらに衝撃的な情報を付け加えると、「女性のほうが男性よりも口臭が生じやすい」という調査結果が、2019年の口臭白書で明かされたそうです。
「女性は生涯的に見て、男性よりも多くのストレスを感じることが多いからでしょう。ホルモンバランスの変調、妊娠・育児期の精神的負担、家事と仕事の両立によるストレスなどが自律神経を乱し、口腔内生理機能を悪化させ、口の中の乾燥を招いてしまうと考えられています」
ストレスからお酒やタバコに走る人も多いですが、それらも当然、口臭の元。また、昨今のコロナ禍も、口臭をさらに悪化させる要因になっているとか。
「マスク生活ではどうしても口呼吸になりがちなのですが、口呼吸は口内を乾燥させます。さらに、リモートワークなどで長時間うつむき姿勢になると、気道が塞がれて舌の動きが停止してしまうので、唾液が出にくくなります」
しかし、このような生理現象は、セルフケアで解消できるケースが多いと言います。その方法を教えてもらいましょう。
上田先生が一番にオススメする口臭対策は、「起きてすぐに歯磨きをする」ことです。
「起床直後の口の中は、1日の中で最も嫌気性菌が増えていて、口が臭う時間です。寝る前には“1”の量だった細菌は、就寝3時間後には“1億”程度に増殖し、起きた瞬間の口内は“大便10グラム”の細菌量と同等とも言われます。なので、起きたらまず、真っ先に口をゆすぐなどして唾液を捨て、歯を磨きましょう。この過程を省いて朝食を摂ると、口内に溜まった悪い細菌を丸ごと飲み込むことになってしまいます。新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染を予防する意味でも、朝一番の歯磨きは欠かさないでください」
歯を磨いたあとは、「きちんと朝ごはんを食べる」ことも大事だとか。
「朝は1日の身体活動の始まり。3食の中で一番重要なのが朝食です。まずは『噛む』という行為を通じて脳に刺激を与え、自律神経を活性化させれば、質のいいサラサラの唾液がたくさん分泌され、午前中に起こりやすい生理的口臭の予防ができます。朝に食べるものとしては、ご飯食がおすすめ。パンよりご飯のほうが噛む回数が増え、唾液の分泌を促せるからです」
朝食を抜くなどの生活習慣の乱れは、自律神経の乱れにもつながり、口臭の原因になります。間食や暴飲暴食、喫煙や夜更かしも控えましょう。そして、寝る前にも必ず歯磨きをすること。
「寝ている間は舌の動きが止まり、口内が最も渇く時間帯。睡眠中はあらゆる細菌が増殖を繰り返します。夜寝る前に歯を磨き、しっかり歯垢を取り除くことで、起床時の細菌数を少しでも減らすようにしましょう」
「起床直後」と「就寝前」の歯磨きが大事であることはわかりました。では、「食後」はどうすればよいのでしょう?
「食後すぐに歯を磨く人が多いですが、実はそれは、できるだけ避けていただきたいです。なぜなら食事中と食後は、1日の中で唾液が最も多く分泌される時間帯。食後すぐに歯を磨いてしまうと、せっかく分泌された唾液が洗い流されてしまい、自浄作用を妨げてしまうからです」
また、食後すぐは口内pH値が酸性に傾き、酸の溶解力によって歯のエナメル質が柔らかくなっています。そこを歯ブラシでゴシゴシ擦ると、エナメル質が剥がれ、歯が傷ついてしまうことも。
「酸性に傾いてしまった口内pH値をいち早く中和するためには、『水』が有効です。食後すぐは、歯を磨くのではなく、水で中和するのがベスト。水を口に含み、そのまま舌を適度に動かしてから飲みます。どうしても食べかすが気になる人は、食後20〜30分経ってから、『歯磨き剤をつけていない歯ブラシ』を軽く水で湿らせて、歯茎から歯の先端方向に向かって優しくブラッシングしましょう」
食後に味わうと美味しいコーヒーですが、こちらについても注意点があるそう。
「コーヒーを飲むと口内が酸性化すると同時に、カフェインの利尿作用により口の中が渇きやすくなります。ですからコーヒーを飲んだあとも必ず、水を飲んで口内を中和することで、口臭を予防しましょう」
口臭予防のために「舌磨き」をする人も多いですが、それは効果的なのでしょうか?
「舌を磨くと口臭が消えるというのは誤解です。舌表面の粘膜は細かいデコボコで形成されていて、凹んでいるところに唾液が溜まる仕組み。口が渇くと防御反応で凸の部分が毛羽立ち、舌全体が白っぽくなる。それをみなさん舌磨きなどで取りたがるけど、そうすると、唾液を溜める凹の部分もなくなってしまい、ますます口の中が渇いて臭くなるという悪循環に陥ります」
舌に付着した汚れが気になったら、舌の粘膜を傷つけないように浮き上がらせることが大事。欧米人の場合は、それを「ガム」で行っていることが多いそう。噛んだガムを口の中で丸めて、舌の上(難しい場合は奥歯の外側)に置いておけば、唾液が絶えず分泌され、自然と舌がきれいになるのだとか。
「舌の上にガムを置くのは、ニンニク入りの食事をした後など口臭の応急処置としても有効です。ただし、ミント成分や強いフレーバー付きのガムは、口臭と入り混じって逆に悪臭を生むこともあるので、なるべく『ミントなし・無糖』のガムを選びましょう(おすすめのガムは上写真参照)。勤務中など、ガムを口に入れられない環境下では、水をこまめに飲むといいです。口の中が潤えば、口臭を抑えられますから」
最後に、自宅や職場で気軽にできる「口臭予防エクササイズ」を教えてもらいました。その名も、「ら・スマイル」。
「『ら』と発音するとき、舌先は上アゴにつきますよね。その状態を保ったまま、背筋を伸ばして正面を向き、にっこりと口を横に開きましょう。そうすると自然と唾液が湧いてきます。回数や時間に制限はありません。口の中が乾燥してきたな…と感じたときなどにお試しください。マスクを着用したまま、人知れず行うこともできますよ」
今回教わった口臭対策を実践することで、結果的に健康な心と身体を手に入れることにもつながります。
口の中を潤すことを心がければ、虫歯や歯周病などの予防になりますし、朝晩に正しく歯を磨くことは、新型コロナなどのウイルス対策にも有効。さらに、口臭を防ぐことができればメンタルの不安も解消され、人とも積極的にコミュニケーションが取れるようになるはずです。
つい疎かになりがちな口臭のケアですが、今こそ改善するとき! 日々の心がけで爽やかな息をキープして、心身ともにヘルシーな毎日を目指しましょう。
上田恵子
女性のための口臭治療専門クリニック「東京ブレスクリニック」院長。日本口臭学会認定医。歯科経営などを経て、2017年に「東京ブレスクリニック」を銀座に開業。ドクターを含めスタッフは全員女性。完全個室・予約制でプライバシーに配慮し、対話を重視した丁寧なカウンセリングと診療を実践している。
URL/https://www.tokyobreath.com/(東京ブレスクリニック)
おいしく“たべる”。
NEW<連載> おいしく“たべる”
“からだ”をつかう。
<連載> “からだ”をつかう
おいしく“たべる”。
<連載> おいしく“たべる”
“からだ”をつかう。
<連載> “からだ”をつかう
おいしく“たべる”。
<連載> おいしく“たべる”
“からだ”をつかう。
<連載> “からだ”をつかう
“きもち”をたかめる。
<連載> “きもち”をたかめる
“きもち”をたかめる。
<連載> “きもち”をたかめる
おいしく“たべる”。
<連載> おいしく“たべる”
“からだ”をつかう。
<連載> “からだ”をつかう
“きもち”をたかめる。
<連載> “きもち”をたかめる
“きもち”をたかめる。
<連載> “きもち”をたかめる
おいしく“たべる”。
<連載> おいしく“たべる”
おいしく“たべる”。
<連載> おいしく“たべる”
“きもち”をたかめる。
<連載> “きもち”をたかめる
“からだ”をつかう。
<連載> “からだ”をつかう
“きもち”をたかめる。
<連載> “きもち”をたかめる
おいしく“たべる”。
<連載> おいしく“たべる”
“きもち”をたかめる。
<連載> “きもち”をたかめる
“きもち”をたかめる。
<連載> “きもち”をたかめる
おいしく“たべる”。
<連載> おいしく“たべる”
“からだ”をつかう。
<連載> “からだ”をつかう
おいしく“たべる”。
<連載> おいしく“たべる”
“きもち”をたかめる。
<連載> “きもち”をたかめる
おいしく“たべる”。
<連載> おいしく“たべる”
“からだ”をつかう。
<連載> “からだ”をつかう
“きもち”をたかめる。
<連載> “きもち”をたかめる
おいしく“たべる”。
<連載> おいしく“たべる”
“きもち”をたかめる。
<連載> “きもち”をたかめる
“きもち”をたかめる。
<連載> “きもち”をたかめる
“きもち”をたかめる。
<連載> “きもち”をたかめる
おいしく“たべる”。
<連載> おいしく“たべる”
“きもち”をたかめる。
<連載> “きもち”をたかめる
“からだ”をつかう。
<連載> “からだ”をつかう
おいしく“たべる”。
<連載> おいしく“たべる”
“からだ”をつかう。
<連載> “からだ”をつかう
“きもち”をたかめる。
<連載> “きもち”をたかめる
おいしく“たべる”。
<連載> おいしく“たべる”
“きもち”をたかめる。
<連載> “きもち”をたかめる
おいしく“たべる”。
<連載> おいしく“たべる”
“からだ”をつかう。
<特集> パートナーインタビュー⑪
“からだ”をつかう。
<連載> “からだ”をつかう
“きもち”をたかめる。
<連載> “きもち”をたかめる
おいしく“たべる”。
<連載> おいしく“たべる”
“からだ”をつかう。
<連載> “からだ”をつかう
“きもち”をたかめる。
<連載> “きもち”をたかめる
おいしく“たべる”。
<連載> おいしく“たべる”
“からだ”をつかう。
<連載> “からだ”をつかう
“きもち”をたかめる。
<特集> パートナーインタビュー⑩
おいしく“たべる”。
<連載> おいしく“たべる”
“からだ”をつかう。
<連載> “からだ”をつかう
“からだ”をつかう。
<特集> パートナーインタビュー⑨
“きもち”をたかめる。
<連載> “きもち”をたかめる
“きもち”をたかめる。
<連載> “きもち”をたかめる
おいしく“たべる”。
<連載> おいしく“たべる”
“きもち”をたかめる。
<特集> パートナーインタビュー⑧
“きもち”をたかめる。
<連載> “きもち”をたかめる
“きもち”をたかめる。
<連載> “きもち”をたかめる
“きもち”をたかめる。
<連載> “きもち”をたかめる
“からだ”をつかう。
<連載> “からだ”をつかう
おいしく“たべる”。
<連載> おいしく“たべる”
“からだ”をつかう。
<特集> パートナーインタビュー⑦
“からだ”をつかう。
<連載> “からだ”をつかう
“きもち”をたかめる。
<特集> パートナーインタビュー⑥
“きもち”をたかめる。
<連載> “きもち”をたかめる
おいしく“たべる”。
<連載> おいしく“たべる”
“からだ”をつかう。
<連載> “からだ”をつかう
おいしく“たべる”。
<連載> おいしく“たべる”
“からだ”をつかう。
<特集> パートナーインタビュー⑤
おいしく“たべる”。
<連載> おいしく“たべる”
“からだ”をつかう。
<連載> “からだ”をつかう
“きもち”をたかめる。
<特集> パートナーインタビュー④
おいしく“たべる”。
<連載> おいしく“たべる”
“きもち”をたかめる。
<連載> “きもち”をたかめる
“からだ”をつかう。
<連載> “からだ”をつかう
“きもち”をたかめる。
<特集> パートナーインタビュー③
おいしく“たべる”。
<連載> おいしく“たべる”
おいしく“たべる”。
<連載> おいしく“たべる”
“からだ”をつかう。
<連載> “からだ”をつかう
“きもち”をたかめる。
<連載> “きもち”をたかめる
“からだ”をつかう。
<特集> パートナーインタビュー②
おいしく“たべる”。
<連載> おいしく“たべる”
“きもち”をたかめる。
<特集> パートナーインタビュー①
おいしく“たべる”。
<連載> おいしく“たべる”
“からだ”をつかう。
<連載> “からだ”をつかう