おいしく“たべる”。
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NEW <連載> おいしく“たべる”
“きもち”をたかめる。<連載>
取材・文/和栗恵 イラスト/蔵元あかり(Roaster)
アート鑑賞は、心に刺激や癒しを与えてくれるもの。鑑賞を通して想像力が磨かれたり、表現力が鍛えられたりと、人生を豊かにしてくれるといわれています。
最近では、アート鑑賞がビジネスの場でも役に立つとして、ビジネスパーソンの間でも注目されはじめています。今回は、美術教師でありアーティストとしても活躍される末永幸歩さんに、新しい視点で楽しむアート鑑賞法と、話題の「アート思考」についてレクチャーしていただきます。
「アート鑑賞」と聞くとどんなイメージがありますか? 「知識がないと楽しめない」「美術館は敷居が高い」、そんな風に感じている人も多いのではないでしょうか?
けれどアート鑑賞には2通りの方法があり、誰でも楽しめるものだと末永さんは語ります。
「まず1つめは、作者の人生や時代背景などをふまえ、知識的に作品を読み解いていく鑑賞法です。作者の心情や意図、作品が作られた目的を知ることは、作品を理解する上で欠かせないもので、感じ方が深まることがあります。
もう1つは、そうした情報や背景は一旦考えずに、作品そのものと向き合うというもの。
自分の感覚を起点とし、何を感じるか、どうしてそのように感じるかといった『自分なりの考え』を掘り下げていくので、難しい知識は必要ありません。また、自分の考えと向き合うことで多様なものの見方にたどりつくことができるなど、いわゆる『アート思考』を養うことができるんです」
「作品そのものと向き合う鑑賞」により養うことができるという「アート思考」。ここ数年で教育現場やビジネスの場でも聞かれるようになりましたが、一体どのようなもので、なぜ注目されているのでしょうか。
「『アート思考』は、自分なりの視点で世界を見つめ、自分だけの答えを創り、それによって『新たな問い』を生み出すこと、と考えています。常識にとらわれない自由な思考、それが『アート思考』なんです」
「アートといわれると、作品を思い浮かべる人が多いことでしょう。でも、その作品が生まれるまでには、作者が感じた葛藤や重ねてきた努力などさまざまな過程があります。私は作品と、それができあがるまでの探究の過程を含めて『アートという植物』に例えています。
まず『興味のタネ(自分の中に眠る興味、好奇心、疑問)』が生まれ、そこから『探究の根(興味に従った探究・努力)』が伸びる。自分の興味や疑問を通して、自分なりの探究をし続ける地下の活動が『アート思考』なんです。
アート思考の結果として地表には『表現の花(作品・結果)』が咲いたり、時には枯れたりする。たとえ地表に姿を現していなくても地面の下で植物が生きていることがあります。やはり大切なのは、自分なりの『興味のタネ』から『探究の根』を育てていくことで、『表現の花』はあくまで結果でしかないんです」
「現代社会で『アート思考』が必要とされるようになった理由は、AIテクノロジーの発展や、平均寿命が延びていることが関わっていると感じています。
結果となる『表現の花』の部分は、AIの方が早く正確な答えを出せるようになってきました。だからこそ、他者から求められる正解を探すことに注力するのではなく、自分の感覚に基づいて、自分なりの答えを創りだすことが大切になるのだと思います。
また人生100年時代に入り、これまで正しいとされていたキャリアプランやライフステージの考え方が変化し、当たり前だとされてきたことが当たり前ではなくなってきています。
10代後半まで教育を受け、20代には就職、65歳で定年というように多くの人が同じように人生を歩むのではなく、誰もが自分自身の生き方をアートのように創造していく必要があります。そこに1つの答えはなく、自分なりの『興味のタネ』、『探究の根』を伸ばし続け、オリジナルの答えを探していくことが大切であると、みなさんが気付きはじめているんです」
これからの時代を生きるために必要とされる「アート思考」。ビジネスの場でも役立つといわれていますが、どのように活かしていけばよいのでしょうか?
「アートに触れることでわかるのは『正解は1つではない』ということです。いろいろな答えが同時に存在するという矛盾を受け入れることができれば、新たな視点や考えを持つことができると思います。
接客業を例に挙げると、たとえば来店したお客様が、自分の考える常識とは違った言動をしたとします。でも『自分の考える常識』は、1つの答えでしかありません。
もしお客様が外国人であれば、その人の国ではそれが普通なのかもしれない…自分が持つものさしだけで測るのではなく、複数の答えが同時に存在することを受け入れるようにすることで、人の考えにも興味を持ち、さまざまな視点を楽しみながら接客することができるようになると思います。
外国人の視点になってみる、小さい子どもになったつもりで目線を変えてみる、ペット連れの方の気持ちになって考える。『アート思考』によりさまざまなものさしを増やし、それらを横断することで、接客の幅、もっといえば社会の見方が広がるのではないでしょうか」
では、「アート思考」を育むためには、具体的にどのようにアートと向き合えばよいのでしょうか。
「私がおすすめしているのは『アウトプット鑑賞』です。これは鑑賞する人が自分なりの見方で作品と向き合う鑑賞法なのですが、まずは作品を見て、気付いたことや感じたことを一緒に鑑賞している人と話し合ったり、1人であればメモに書き出したりします。そこから探求の根を広げ、『どこからそう思う?(主観的に感じた「意見」の根拠となる「事実」を問う)』『そこからどう思う?(作品内の「事実」から主観的に感じた「意見」を問う)』といった問いを深め、自分なりの意見・思考を広げていく手法です。
さっそく、クロード・モネの『睡蓮』の絵を元に、アウトプット鑑賞を試してみましょう」
「ダメ出ししてみる、五感で捉える、見えていない部分を想像する…というように1枚の絵をさまざまな視点から鑑賞することで、ものの見方が増えていくのを実感できると思います。アウトプット鑑賞は、自身の中の常識を壊し柔軟な思考ができるようになるので、ビジネスの場においてもさまざまな形で応用が可能です。
たとえば店舗の空間づくりでは立場を変えて、目が不自由な人だったら、体型が違ったら、犬だったら(!?)…など多角的な視点で店内を見直してみる。五感を使って、椅子の座り心地、照明、香りなどについて考えてみる、など『アート思考』によりさまざまな視点の数だけ異なる答えが生まれてくるのがおもしろいポイント。
また、興味深いことにアウトプット鑑賞が自分の心に眠っていたこと(興味のタネ)に気づくきっかけになる場合も多いんです」
作者の心情を現在の自分の心情と重ね合わせたり、忘れていたような幼少期の記憶が蘇ってきたり、アウトプットの内容に自分の想いや性格が反映されることは多くあるのだそう。
アウトプット鑑賞は、「アート思考」を鍛えると同時に改めて自分自身と向き合い、自分を知ることにもつながるといえるのではないでしょうか。
「多くの人がアートに対して『敷居が高い、知識がないのでわからない』そんな風に敬遠してしまいがちです。今回ご紹介した『アウトプット鑑賞』により、アートを“自分のもの”にしながら鑑賞することで、人生を豊かにしたり、仕事の課題解決の手助けになったり、幅広く活かすことができるはずです。
これからますます加速するであろうAIテクノロジー時代。自分の感覚に寄り添い、オリジナルの答えを創っていくことが、自分だけの人生を歩んでいく上で大切になるのではないでしょうか。これを機会に、ぜひアートを楽しみながら『アート思考』を育んでみてくださいね」
末永幸歩
アート教育者、アーティスト。武蔵野美術大学造形学部卒業。東京学芸大学大学院教育学研究科(美術教育)修了。現在、東京学芸大学個人研究員。東京都の中学校の美術教諭を経て、2020年にアート教育者として独立。各地の教育機関や企業で講演やワークショップを実施するほか、メディアでの提言、執筆活動などを通して、生きることや学ぶことの基盤となるアートの考え方を伝えている。著書に、20万部超のベストセラー『「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考』(ダイヤモンド社)がある。
URL/https://yukiho-suenaga.com/
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